情報学部2・3年次の後期に実施する長期企業内実習科目「臨地実務実習」。2年次は約5週間(150時間)、3年次は約15週間(450時間)の長期間に渡る実習ですが、11月中旬に2年次の実習が終了しました。
今回のレポートでは、2年次の実習先企業「株式会社新開トランスポートシステムズ」で11/9(水)に行われた最終報告会の様子ご紹介します。
実習課題は物流技術部門での現場改善と展開。学生が学んだことは、ユーザーから求められていることを正確に理解し、そこに技術を活用することの大切さでした。
(株)新開トランスポートシステムズは、創業以来110年以上にわたって精密機器物流に携わり、「物流」と「技術」が融合したトータルソリューションを提案する専門企業です。
本実習で学生が取り組んだ課題は、物流技術部門での現場改善・展開。本社の社内便検知システムである電子かんばん装置のリニューアルに取組みました。
▼実習課題の詳細は、前回のレポートをご覧ください▼
また、今回の実習の様子を(株)新開トランスポートシステムズのWEBサイトでご紹介いただきました。ぜひご覧ください。
▶(株)新開トランスポートシステムズ WEBサイトご紹介記事はこちら
▲写真・・・リニューアルした学生製作の音と光で通知する電子かんばん装置。
最終報告会では、成果物となった音と光で通知する電子かんばんの製作に至るまでの取組み、今回の実習で学んだこと、今後の抱負などが学生より報告され、代表取締役会長の古賀あや様より、実習修了証と手作りの記念品を授与いただきました。
▲写真・・・(株)新開トランスポートシステムズ 代表取締役会長の古賀あや様より、実習修了証と手作りの記念品を授与いただきました。
▲写真・・・左から、(株)新開トランスポートシステムズ 取締役 内藤博様、情報学部2年 杉山雄大さん、(株)新開トランスポートシステムズ 代表取締役会長 古賀あや様、情報学部 准教授 西川昌宏先生、情報学部2年 竹内良祐さん、(株)新開トランスポートシステムズ 秋場俊史様、(株)新開トランスポートシステムズ 瓜生政行様。
実際に実習の指導をご担当くださった瓜生様からは、「実習生の初日の緊張具合はとても印象的でしたが、学生ならではの目線で、ものづくりについて、設計、企画から必要な部品などを自分たちで集めること、実際の成果として形にすることを意欲的に取り組んでくれました。彼らには少子高齢化で技術者が不足している今の時代を盛り上げてほしいと思っています。企業は有能な人材を求めていますのでぜひ、彼らの力で救ってほしいと思います」と激励のお言葉をいただきました。
そして、情報学部・西川先生は「臨地実務実習は現場の課題を把握、抽出してその解決策を考え、その効果がどうなのか、という筋道を立て提案をすることが求められています。今回、実習課題として与えられた電子かんばん装置のリニューアルについて、当初、学生はカメラ付き電子かんばんを製作しよう直感的に感じて進めていましたが、実際に現場の方々の声をヒアリングすることで方向性が変わりました。頭だけで考えるのではなく、現場の声を聞き、課題を把握することの重要性を感じたのではないかと思います。今回の企業での学びが、これまでの大学の学びと繋がり、さらに磨きがかかることを期待します」と実習の総括をしました。
最後に、実習に参加した情報学部2年 杉山さん、竹内さんは、実習を振り返りこのように述べました。
<杉山さん>
「今回の実習内容は、電子回路を組んだり、3Dプリンターやレーザーカッターなどを使用したりと、大学でIoT・ロボティクスコースで学んでいる私にはとても興味深く、あっという間の充実した5週間でした。普段大学で学んでいる知識や技術を、実際の現場でモノとして表現することの難しさを痛感し、技術は現場の課題を解決するための手段の一つであることを理解しました。今回の実習の経験をこれからの学びに繋げていきたいと思います」
<竹内さん>
「電子かんばん装置の改善という課題を受けて、当初はカメラ付き電子かんばん装置を製作予定でしたが、実際に使用している現場の方々へヒアリングを行った結果、その必要がないことが分かりました。その時に、ユーザーの視点に立ち、求められていることを正しく理解し実現することが技術に求められていることだと感じました。製作のために必要なソフトや機材の使用経験がなく、初めてのことばかりで、頭の中でイメージしていることを形にする難しさを多々感じた実習でしたが、イメージ通りの装置を製作することができ、達成感を感じています」
臨地実務実習は、ビジネスの現場ならではの生きた知識や経験を得ることができる、大学と産業界との協力によって生み出される専門職大学ならではの学習プログラムです。今回、このような実習の場を設けてくださった(株)新開トランスポートシステムズの皆様には改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
今後も臨地実務実習の様子をHPでご紹介していきます。