長岡商業高等学校の「アントレプレナーシップ教育スタートアップ事業」はアントレプレナーシップを育む教育実践を通じて、
産官学の連携を推進し、「持続可能な社会の創り手」を育成する取り組みです。
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市川先生は、その中で、今年度から開始した3年生向け「観光ビジネス」の授業にゲスト講師・アドバイザーとして参画しており、7月8日(月)、7月16日(火)に出張講義を行いました。これから旅行プランを企画する高校生に対して、「実践的な旅行商品造成のポイント」と題し、観光商品の造成の考え方やデータ活用、ストーリー性、ならではの価値(付加価値)の重要性について学ぶ授業です。
7月8日は冒頭、観光が単なるレジャーではなく、経済や地域社会に与える影響についての理解を深め、旅行商品の特性として無形性、不可分性、異質性などを挙げ、旅行商品の計画や提供にどのように影響するかが説明されました。実践的なデータ活用方法としては、「RESAS(地域経済分析システム)」や「新潟県の観光統計データ」、「観光予報プラットフォーム」などの公表データを使用し、観光客の行動を分析する方法が学生と一緒にサイトを使いながら紹介されました。特に長岡市を対象に、観光客の行動パターンや宿泊状況を分析し、長岡市に来る観光客の目的地や出発地、滞在期間などのデータをもとに分析を行い、データを知るだけでなく、知ってどう商品造成に活かすのかがポイントです。
7月16日は、商品造成におけるストーリー性とならではの価値(付加価値)の重要性について説明されました。
モノや情報、似たような商品で溢れている現代では消費者の共感を得るために不可欠です。
「外国人向け」「高齢者向け」「女性向け」「ファミリー向け」「一人旅」など学生が設定したそれぞれのペルソナに合わせて、
実際の商品事例を紹介しながら、クイズも交え、学生はストーリー性とならではの価値を体感しました。
観光商品の造成においては、商品やサービスの差別化を図るためのストーリー性や付加価値が重要であり、その価値が旅行者の体験を豊かにします。最後に、新潟に住んでいるからこそ知っている、高校生だからこそ提案できることを大切にというメッセージを伝え、授業は終了しました。
学生たちはこれからそれぞれ設定したテーマやターゲットをもとに、チーム毎に旅行プランを考えていきます。
市川先生は今後、10月に行われる中間報告会で学生たちのアイディアにフィードバックを行う予定です。
開志専門職大学は、今後もこのような実践的な教育を通じて、地域社会と連携しながら学生の成長を支援していきます。