企業の財政状況を示す「財務諸表」の基礎を学ぶ必修科目
事業創造学部 2年次第3期の必修科目「財務諸表論」(担当:明珍儀隆 准教授)。
企業の財務状況を示し、関係者に1年間の財政状況や経営成績等を知らせることを目的とする書類「財務諸表」について、その基礎知識を理解することと、基本的な財務諸表の作成技能を修得することを学習目標としています。
今回は、ゲスト講師としてTIS株式会社 井ノ口孝史様がご登壇されました。
TIS株式会社(TISインテックグループ)は、国内最大規模の総合ITサービス企業です。企業に向けたIT部門のコンサルティングやシステムインテグレーション、システム開発等を主なサービスとし、創業から50年以上にわたり、金融、製造、公共、通信といった多くの産業をITの力で支え続けています。
講義の前半では、これまでの「財務諸表論」で学んだ簿記会計の知識、そして財務諸表における貸借対照表、損益計算書といった基礎的な内容について、具体的なケーススタディを交えながら復習。後半では、TIS株式会社で活躍されている井ノ口様のこれまでの経歴や、生きる上で大切にしていること等についてお話いただきました。
「『心を惹かれたら、即行動』。わくわくする方向に向かって進み、年を重ねていきたいというのが基本的なスタンスです」と話す井ノ口様。
井ノ口様は大学を卒業後、大手企業に就職しましたが、あるきっかけを経て、少年時代に諦めた「パイロットになる」という夢に再チャレンジすることを決意。44歳の時、パラオでパイロットとしてデビューしました。その後、新型コロナウイルスの影響で一時帰国となるものの、幅広い業界に対応できると感じた会計の知識を身につけ、現在はTIS株式会社で管理会計マネージャーを務める…といった、異色の経歴の持ち主です。
「これまでの人生、嬉しかったことや良かったこともあれば、悲しいこと、つらいこともたくさんありました。しかし振り返ってみると、今がとても幸せです。この幸せが何から来ているのかというと、今までの人生で、いい時と悪い時の振れ幅が大きかったこと。これが大きいほど、今が幸せだと感じるのではないかと思います」。
会計の知識を武器にビジネスの第一線で活躍しながら、夢に向かって活動を続ける井ノ口さんのお話に、学生も多くの刺激を受ける講義となりました。
受講した学生に、講義を終えての感想を聞きました。
■事業創造学部2年 上野祥栄さん(新潟商業高等学校出身)
—―今回の講義を受けての、新たな発見や学びを教えてください。
「井ノ口先生の講義を通じて、人生やキャリアについて考えるとても良い機会になりました。今までキャリアを考える時には、今後どんな人になっていたいかを期限内に決めなくてはならず、深くまで考えることができていませんでした。自分がどんなことにワクワクするのか、自分が本当に願っていることは何か、いまだに自分ではわかっていません。今後キャリアについて考える時には『価値観(軸)』をしっかりと考え、それを大切にしながら、自分らしさを発見していきたいです」
—―講義での学びを、今後どのように活かしていきたいですか。
「井ノ口先生の今までの経験を聞いていて、自分のキャリアに対して後悔が一つもない生き方に感じました。その時の精一杯を生きていることで、やりきれないことや後悔することがないのだと思いました。自分もその時の精一杯で生きていきたい、そして転んだ時には前のめりに転んでいきたい。とても前向きな気持ちになる講義で、とてもワクワクしました!」
■事業創造学部2年 服部友規さん(東海大学付属札幌高等学校出身)
――今回の授業を受けた感想を教えてください。
「私たちが現在習っている会計を極めて活躍しつつやりたいことも実現している井ノ口さんのキャリアのお話がとても印象的でした。会計というキャリアの魅力をリアルに学べたことと、ご自身の経験から私たちに対する熱いメッセージを語っていただいたことは、これからキャリアデザインに向き合う私たちにはとても貴重な時間でした」
――講義での学びを、今後どのように活かしていきたいですか。
「会計学を極めた井ノ口さんのように、自分の市場価値を高めれば、自分の価値観を大切にしながら自分らしく働けることを学びました。自分らしいキャリアを自由に選択できるよう、自分の市場価値を高めることをモチベーションに、これからも積極的に行動していきたいです。そして、社会に貢献できる、自分らしく新しい価値を創造し、100年先も続く会社を作ることが目標です!」
井ノ口様、ありがとうございました。
今後も事業創造学部の講義の様子は、HP等でご紹介していきます。