<開志のまなび>省庁から、21世紀型のポテンシャルを持つ企業へ。トップランナー研究 実施レポート

開志専門職大学ならではの講義や学習プログラム、学生のユニークな取り組みをご紹介する<開志のまなび>。今回は、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA) 代表取締役社長兼CEOの岡村信悟氏を講師に迎え、情報学部で実施した「トップランナー研究」のレポートをお届けします。

 

学びも仕事も、大切なのは「楽しい」と思えること

コロナ禍の2021年4月、DeNA全体の社長へと就任した岡村信悟さん。今回のテーマは「DeNAと新MVV」。講演は、ご自身の経歴からスタートしました。
岡村さんが1995年に就職先として門を叩いたのは、当時の郵政省(現総務省)。そこから21年間、固定電話が当たり前だった時代から情報通信の時代へ。IT革命とともにさまざまな業務に徹し、そのすべてが「楽しくて仕方なかった」といいます。
「今の自身の考え方や在り方にも多大な影響を与えてくれた、人生の中でも濃い21年間でした」

 

DeNAとして地域に根付いた新しい伝統文化を

今回のテーマであるMVVとは、MISSION(企業使命)、VISION(事業展望)、VALUE(共有価値観)。
縁あってDeNAに入社し、横浜スタジアムそして横浜DeNAベイスターズの社長に就任。このことが、DeNAの存在自体を考えるきっかけになったといいます。

「21世紀がどうなっていくのか想像できないですけれど、新型コロナウイルスの感染拡大を経験して、間違いなく横浜スタジアムも横浜DeNAベイスターズも強くなっていると思います。当たり前が当たり前でなくなり、そして日常を取り戻したとき、進化しているDeNAグループがあると自負しています」

そのひとつの取り組みが、球場、球団、行政、パートナー企業と作り上げていく、スポーツを起点とした街づくり・横浜スポーツタウン構想。それは、非日常の空間が織りなす極上のエンターテインメントを球場内だけではなく、都市空間へと広げていくもの。
「新しいことにチャレンジしていくことが大切。もちろん、失敗もします。でもファンと関係者、そして地域のコミュニケーションが、新たなコミュニティーをつくっていくのです」

ITというパンドラの箱を開けた今、より複雑で多様性がないと、生への価値が見いだせなくなっている時代。IoTが全産業領域へ普及し、モビリティー・コミュニケーション・エネルギーの3つのインターネットが融合。そして、それが社会システムの変革へ。
「社会システムを担う企業とパートナーを組んで、新しいステージにそのシステムを変革していくときにきています。“一人ひとりが輝くライフスタイルをつくる。それを支える21世紀型の社会システムの構築。まずは横浜・神奈川でスマートシティを実現。”これが、DeNAが実現したいことです」

 

21世紀に起こる企業の役割、21世紀の世界をグループディスカッション

チームで話し合い、考えたアイデアを発表するグループディスカッション。岡村さんから与えられたテーマは2つ。「21世紀における企業の役割」と「21世紀の世界はどのようなものか」でした。
「結論はひとつでなくてもいいです。具体的な数字も含めて、提案してください」。

ディスカッションの後の発表では、21世紀における企業の役割について「エネルギー問題」「情報化の推進」、そして21世紀の世界はどのようなものかについては「社会変化とIT技術発展」「環境・資源とAI技術」…など、チームごとにさまざまなアイデアが提示されました。

学生のプレゼンテーションを受けて、岡村さんから最後にコメントが。

「質問やアドバイスを含め、今日のプレゼンテーションを振り返ってみると、また違うものが見えてきます。DeNAという企業でも改めて考えさせられること、具体的に実現したいこともありました。データの重要性や理論的な発想、この短時間でも問題提起がきちんとできています。すでにそういうことの入り口に立っています。これからも、たくさん学んでたくさん教わって進んでいってください」

 

「トップランナー研究」をはじめとする開志専門職大学での講義の様子は、今後もHPでレポートしていきます。

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