本学情報学部 𠮷田 貴裕 助手、金沢大学 理工研究域 数物科学系 石渡 弘治 准教授、同大 自然科学研究科 博士後期課程3年生 軍司 啓宏 さん(2023年3月当時)の論文が2023年8月29日(火)、「Journal of High Energy Physics」に掲載されました。
【発表雑誌】Journal of High Energy Physics誌、(Journal of High Energy Physics 08 (2023) 201)
【論文名】Supersymmetric baryogenesis in a hybrid inflation model
【著者】軍司啓宏、石渡弘治、𠮷田貴裕
【掲載URL】
https://link.springer.com/article/10.1007/JHEP08(2023)201
<研究内容>
私たちの宇宙では誕生直後にインフレーション(※1)があったと考えられています。またその後に元素が作られるためには、バリオン数生成(※2)が起きる必要があります。そのどちらも引き起こされる仕組みは解明されていません。超対称ハイブリッドインフレーションは宇宙のインフレーションを説明する一つのメカニズムで、宇宙の精密な観測データと一致することが知られています。本研究ではこのメカニズムを引き起こす模型において、バリオン数が生成される新しいメカニズムを提案しました。
※1 空間の指数関数的な膨張。
※2 物質を作る陽子や中性子のことをバリオンという。バリオンを作る素粒子(クォーク)とその反粒子(反クォーク)に数の差が作られることをバリオン数生成という。
■情報学部 𠮷田 貴裕 助手
新潟大学大学院にて物理学を専攻し、博士(理学)の学位を取得。新潟医療技術専門学校において非常勤講師として教育に携わる。新潟大学理学部にて特任助教として研究に従事。専門は素粒子理論、特に初期宇宙における物質・反物質非対称性の問題やニュートリノ物理。