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2022年6月7日(火)、本学古町ルフルキャンパス(アニメ・マンガ学部)に(株)トムス・エンタテインメントのプロデューサーである石山桂一プロデューサー、竹村逸平プロデューサー、阿曽孝義プロデューサーが来学され、企業説明や、質疑応答などが行われました。
長い歴史をもち数多くのヒット作を世に生み出してきた、まさに日本を代表するアニメ制作会社であると、学生たちも改めて実感したようです。
■3名のプロデューサーに質疑応答
ゲストの皆さまは、質問の一つひとつに丁寧に答えてくださり、実りある機会になりました。
—以下、質疑応答内容—
Q1.なぜプロデューサーになろうと思ったのですか?
A1.好きな作品「ルパン三世」を作りたいと思ったから。
A2.もともとは監督になりたいと思い、人脈を求めて制作会社に入った。そこで、いろいろな人と協力するのが楽しいと感じたから。
A3.何か映像作品を作りたいと思ったことから制作会社へ。その後、描かれた絵をまとめるなど、いろいろな人と関わるようになり、プロデューサーに。
Q2.どのような人がプロデューサーに向いていますか? また、プロデューサーという仕事を楽しめる人はどんな人だと思いますか?
A1.ものごとを俯瞰で見て、動ける人。どうやったら作品が売れるかを考えながら設計していく事が重要。
A2.どういう人が向いている、ということはなく、作品に対してどれだけ愛情を向けられるか、いろいろなアイディアが出せるかなど、色々な形があっていいと思っている。
A3.監督やクリエイターと仲良くなる(信頼関係が生まれる)と、自分のアイディアを作品に採用してもらえることがある。
Q3.制作進行あるいはプロデューサーという仕事の魅力はなんですか?
A1.制作進行はすべての工程、そしてそこに携わる人たちと関われること。
A2.誰が制作進行をやっても、フィルムのできは別のものになる。また一緒にやりたい、と言ってもらえるときが一番うれしいし、楽しい。
A3.原作者や制作委員会など、たくさんの人たちの思惑があるなかで、自分のやりたい方向へ作品を動かせたときには達成感がある。
Q4.プロデューサーをしていて大変なこと、しんどいことはなんですか?
A1.原作者や制作委員会、スポンサーなど、いろいろなところとのすり合わせや各所の意見をまとめて、作品(映像)にすること。
A2.クリエイターがやりたがっていることをやらせてあげたいが、原作者や制作委員会など各所の思惑があるので、クリエイティブな人たちに添ってあげられないときがあること。
A3.作る人と売る人の意見のバランスをとること。
Q5.3Dでの制作技術の活用の展望はどのように考えていますか?
A1.トムスでも3D制作でのアニメづくりに取り組んでいる。日本のアニメは、8割が2Dアニメ、2割が3Dアニメ。フル3Dアニメのヒット作品が出れば、この比率は変わるかもしれない。2Dで動きやタイミングの基礎などを学ぶことも必要だし、3Dの技術も汎用性が高いので学んでおいたほうがいい。
Q6.日本でのアニメーターという仕事の展望についてどのように考えていますか?
A1.確かに中国のアニメづくりの技術はあるが、日本のアニメづくりと考えが違うところがあったり、中国はCGのほうが進んでいるという印象を受ける。資金面は日本とは比べ物にならないほど豊富。とはいえ、日本には日本のアニメの作り方があると思うので、そこさえ曲げなければ国外のアニメにも負けないと思う。
A2.中国など、資本のある国や企業などがクリエイターたちを囲い込むなどの動きもあり、日本のアニメーション業界自体も危機感を感じている。「働き方改革」の影響も含め、最近では制作費の値上げ交渉が大きく動いている(実際には、ようやく適正価格になってきただけ)。そのような状況から、クリエイターを育成したり、クリエイターに還元したり、ということにどこの会社も取り組んでいる。
A3.実際にはアニメーターがたくさんいてくれないと、作品を作ることはできない。だからこそ、国からの手入れもあり、大きな企業をはじめ、最近はアニメーターの労働環境は改善されつつある。そのような機運が生まれ、高まりつつあるが、それでもまだ大変なところは多い。
その他、グッズ展開やタイアップについて、アニメータ―として就職することについてなど様々な質問がありました。
そして最後に、アニメ専攻の2年生を中心とした作品講評では、限られた時間のなか、学生一人ひとりにじっくりと向き合ってくださり、今まさに現場にいる方々だからこそのアドバイスもたくさんいただきました。
トムス・エンタテインメントの皆様、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
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