学長室の窓から「2024年度 入学式式辞」

新入生の皆さん、入学おめでとう。保護者の皆さまにも心よりお慶びを申し上げます。開志専門職大学教職員一同を代表して、新しい仲間となる皆さんの入学を歓迎します。

天には青空、遠くには美しい雪山、そして地上には満開の桜(柳都(りゅうと)と称される新潟の美しい柳)など、新潟の自然が皆さんの門出を祝っているかのようです。これからの4年間大いに学び、友と友情を育み、キャンパスライフを謳歌して下さい。

開志専門職大学は、2020年4月に開学した新しい大学です。事業創造学部、情報学部の2学部でスタートし、1年遅れてアニメマンガ学部が増設され、3学部からなる総合大学です。学部の共通点は、いずれも成長分野で、高度な人材が不足しており、産業界からは、優秀な人材が求められていることです。

学生の皆さんから見れば、大学でしっかり学べば就職に有利で、実力に見合った処遇が得られ、産業や企業が大きくなるのに合わせてより高い地位で活躍する機会が広がり、チャンスがあれば、独立して青年実業家として活躍することができる分野です。

皆さんの中には高校時代、パソコンやスマホを使って新しいことを試みる、ソフトやゲームを作成する、漫画やイラストを描く、そんなことに熱中した人がいると思います。しかし熱心に取り組んでも高校の授業で評価の対象とはならず、知識の量、記憶力を試す大学受験には役立たなかったのではありませんか。

しかし社会に出ればその評価は全く変わります。検索すれば即座にあらゆる情報が得られる時代に知識の量や記憶力はそれほど評価されません。

それよりも前例がない、答えがない課題に挑戦して解決をする、一つのことに熱中して取り組む、他人とは異なる感性や技術を持っている、そのような人材が高く評価されるのです。特に先端産業、成長産業はそのような人材を求めています。

開志専門職大学は、高校時代にパソコン、アニメが好きで、一つのことに熱中した皆さんには、とても楽しい大学です。なぜなら高校とは異なり、好きなことに取り組むことが大学の単位になるからです。そのような特性を伸ばし、高度な専門性を身につけた人材に育て上げる大学だからです。

本学の教育手法の特長は、少人数教育と現場、現実を重視した実践的教育です。最大の特長は、4年間で600時間以上の企業内実習です。学生は、座学とは異なる学習に新鮮な興味を持ちます。大学で学んだことが企業などの現場で通用しなければ学びが足りなかったことを自覚し、学び直しをします。逆に通用することがわかれば、大きな自信になります。

学習と実践を繰り返すことで学生は大きく成長します。

仕事に対する責任感、簡潔に自分の意見を表現するコミュニケーション能力、共同で物事を成し遂げることの重要性など書物や座学では得られない貴重な体験をします。その時間が600時間もあるのです。

先月、事業創造学部、情報学部の一期生が卒業し、大学として初めての卒業生を社会に送り出しました。その進路は、学長として誇りに思います。両学部とも実質就職率100%を達成しました。就職先に先輩がいない、本学に対する企業の評価が定まっていないというハンディをものともせず、多くの学生が有名企業、有力企業に就職しました。更に研究を深めるため難関大学院に進学した学生、起業をして大学発ベンチャーのスタートをした者、フリーランスとして専門家の道を選んだ卒業生もいます。本学の実践的教育が大きな成果を上げていることを証明するものです。

人生百年、皆さんは社会に出て50年以上職業人としての人生を歩むことになります。生成AIに代表されるデジタル革命は企業の大変革をもたらします。カーボンニュートラルなど地球環境問題は産業構造の大変化につながります。ウクライナ戦争はエネルギー、食糧の高騰、サプライチェーンの分断など世界経済に深刻な影響を与えています。

これまでにない大変化が進行していますが、皆さんの将来にはもっと大きな変化さえ起きるかも知れません。

しかし、ピンチはチャンスという言葉があるように、変化は新しい産業、急成長する企業、高度な職業を産み出します。意欲と能力のある若者にとって、環境の変化はむしろ好ましいことかもしれません。

開志専門職大学は、実践的な教育で、人生百年時代をたくましく生きる人材を養成するため、これまでの大学にはない新しい構想に基づき設立された大学です。開志専門職大学は、その名の通り、皆さんの志を大きく開花させる大学です。

これからの4年間、熱意を持って勉学に取り組み、キャンパスライフを大いに謳歌し、生涯の友となる仲間を是非見つけていただきたいと申し上げて入学の祝辞とします。

 令和6年4月6日
開志専門職大学学長 北畑 隆生