2022年11月28日(月)、本学の古町ルフルキャンパスにて「アニメーター・ワークショップ 動きと演技を描き出す 後藤隆幸のメソッド 第1回」が開催されました。アニメーションブートキャンプでお馴染み、数々の名作を生み出し続ける日本が誇るアニメーション会社 Production I.Gでアニメーター(作画監督・キャラクターデザイン)を務める後藤隆幸先生をお招きし、特別授業を開講。午前と午後に分かれて行われた模様をお送りします。
■午前の部:動きと演技を描き出す、原画の描き方についてのレクチャー
午前の部では、アニメーションを学ぶ2年生を対象に指導を行いました。アニメーターに欠かせないレイアウトの基礎的なスキルを、復習もかねて学びます。レイアウトとは、画面の設計図のこと。キャラクターの演技や背景の見え方など、細かい所まで考えて原稿に落とし込む、アニメーション制作において非常に重要な作業です。アニメーターに必要不可欠なレイアウト。学生は、後藤先生から直接指導を受け、時には学生同士で教え合いながら作業を進めていきます。
続いて、学生が制作中のアニメーション作品の原画を後藤先生がチェック。2つのグループに分かれて、それぞれ課題点や改善点をアドバイスしていただきました。場面の切り取り方やキャラクターの演技など、細かい所まで指導が入ります。途中、シチュエーションやキャラクターに合わせて自らが演技することの大切さや、「映像は伝わらないと意味がない」とアニメーション制作に対する姿勢を熱く語る後藤先生。その隣で、真剣に聞き入りながらメモを取る学生の姿が印象的でした。
■午後の部:「アニメーター・ワークショップ 動きと演技を描き出す 後藤隆幸のメソッド」&学生のポートフォリオについての個別指導
午後の部は、後藤先生の講演と学生のポートフォリオの講評が行われました。講演では、アニメーションの制作に関わる上での心得を教わります。
「アニメーターは実力主義、技術を身に付ける努力が大切」と語る後藤先生。会社に入るのがゴールではなく、会社に入ってからがスタート。目標のためにどれだけ頑張れるか、質の良い絵を描けるようになるために、上手い人を超える量の絵を描き続けられるか。一人前になった時にチャンスを掴めるよう、今から努力してほしいといいます。アニメーションはアニメーターだけでなく、監督や脚本家、CG、彩色など、実に多くの職種があります。分業していても、共通していることは“映像を作る”ことが目標にあるということ。同じ方向を向いて一つの映像を作る、自分だけが良いからといって満足をせずに、チームが一丸となって制作に挑むことが鍵だといいます。
講演の後は、希望者のポートフォリオを個別で講評。デジタルやアナログの一枚絵や人体構造を描いたエチュードなど、それぞれの個性が詰まった一冊が登場します。後藤先生は、学生が目指す職種に合わせて、ポートフォリオの構成の仕方、今後取り組むことなどをアドバイス。日本のアニメーション業界を引っ張る名クリエイターからの言葉が、学生の夢への後押しとなりました。
【アニメーター・ワークショップ 動きと演技を描き出す 後藤隆幸のメソッド 第1回 実施概要】
日時:2022年11月28日(月)
会場:開志専門職大学 古町ルフルキャンパス(新潟市中央区古町7番町1010番)
【後藤隆幸(Goto Takayuki)先生 略歴】 株式会社プロダクション・アイジー所属 アニメーター(作画監督。キャラクターデザイン) 秋田県出身。株式会社プロダクション・アイジー創設メンバーのひとり。2020年、還暦を機に同社の取締役を退く。取締役退任後も同社にて、アニメーター、トータルアドバイザーとして制作に参加。 代表作に『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズ、『獣の奏者 エリン』、『黒子のバスケ』等がある。2018年4月から放送された『銀河英雄伝説 Die Neue These』のシリーズ最新作『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』では総作画監督として参加。
【後藤隆幸先生 参加作品の一例】 赤い光弾ジリオン(キャラクターデザイン・作画監督)/機動警察パトレイバー the Movie(原画)/電影少女 VIDEO・GIRL・AI(キャラデザイン・作画監督・原画)/ぼくの地球を守ってPlease Save My Earht(キャラデザイン・総作画監督・作画監督)/HUNTER×HUNTER(キャラクターデザイン・作画監督)/攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(作画監督)/精霊の守り人(作画監督・作画監修)/黒子のバスケ(総作画監督・作画監督)/銀河英雄伝説 Die Neue These(総作画監督・作画監督)/etc.