「現代産業論」は、事業創造学部1年次必修科目、情報学部1年次選択科目として設置された基礎科目です。金融、自動車、食品、小売等、さまざまな産業界の第一線で活躍するゲスト講師の皆様に来学いただき、特別講義を行っています。
※受講対象者…事業創造学部 1 年⽣(必修)、情報学部1 年⽣以上(選択)ほか、過去受講生、アニメ・マンガ学部も聴講可能です。
6月27日(木)に行われた第11回は「コンテンツ産業」をテーマに、経済産業省 商務情報政策局 コンテンツ産業課 課長 渡邉佳奈子様にご登壇いただきました。
当日の講義の様子をご紹介します。
今回は、新潟県からも多くの著名なクリエイターを輩出しているアニメやマンガ等が代表的な「コンテンツ産業」です。ご講演いただいた渡邉様は、経済産業省から国のコンテンツ産業政策を推進しています。
日本のコンテンツ産業の市場規模は、世界第3位!国内における産業の中でも、半導体産業に迫る規模感とのこと。家庭用ゲームやアニメ等を中心として、日本のコンテンツの海外展開は増加傾向にあります。また、日本の得意分野は「メディアミックス」。マンガも強い日本ですが、その原作売上を1とした場合、アニメ化や舞台化等を重ね、最大売上が約8倍になるコンテンツもあるのだそうです。
さらに、キャラクターの累積収入の世界ランキング(2018年)では、TOP25の約半分に、ポケモンやハローキティをはじめとする日本発のコンテンツがランクイン。具体的な事例や数値をもとに、日本のコンテンツ産業の規模感や強さを理解することができました。
コンテンツ流通構造の変化についてのお話では、グローバルなプラットフォームを介して消費者がコンテンツを共有し、潜在マーケットが拡大しているとのこと。具体例としてはYouTube等がイメージしやすいですが、現代は一般のユーザーが誰でもクリエイターになれる時代です。そのような環境の中、コンテンツ産業は「日本のコンテンツの強みであるクリエイションの質と高さと多様性を最大限に活かすため、産業のデジタル化を強直に進め、世界市場の富を取り込み成長産業へ」といった取り組みを強化しており、国策としての強い意気込みを感じました。
続いては、コンテンツ産業政策の推進体制にまつわるお話。多様な省庁が協力しながら、クリエイターの支援が一つの柱となっていることを学びました。特に、次世代を担うクリエイターの育成、エンタメ分野のスタートアップの海外進出支援などが議論され、推進されているというところは、アニメ・マンガ学部を有する本学の学生たちにとって、身近に感じられたのではないでしょうか。
最後に、政策のミッションとして、「デジタル化」と「海外展開」の進展が急務とのお話がありました。①海外市場の拡大、②産業構造の強靭化・基盤強化、③先端技術の活用を進めていく、といった具体的なお話を伺い、ご講演は終了しました。
聴講した学生からは「クリエイターの労働環境の改善に関する対策は?」など、自分たちが調べた知識から気になっていた質問が多く上がりました。
渡邉様、ありがとうございました。
年間を通してさまざまな業界からゲスト講師をお招きして実施する「現代産業論」。
講義の様子は、今後もHPやSNSでご紹介していきます。