2022年度 開志専門職大学入学式 北畑隆生学長 式辞全文

式辞

 

皆さん、入学おめでとう。
教職員一同を代表して、開志専門職大学の新しい仲間となる皆さんの入学を歓迎します。
本日はオンラインでの参加となりましたが、ともにご苦労をされてきた保護者の皆さまにも心よりお慶びを申し上げます。

天には晴れわたる青空、地には満開間近の桜、そして遠くには美しい雪山と青い海。新潟の美しい自然が皆さんの門出を祝っているようです。
これからの4年間大いに学び、友と友情を育み、キャンパスライフを謳歌して下さい。

開志専門職大学は、一昨年4月に開学した新しい大学です。事業創造学部、情報学部、アニメ・マンガ学部の3学部からなる総合大学です。
共通点は、いずれも成長分野で、高度な人材が不足しており、産業界から優秀な人材が求められていることです。
学生の皆さんから見れば、大学でしっかり学べば就職に有利で、実力に見合った処遇が得られ、産業や企業が大きくなるのに合わせてより高い地位で活躍する機会が広がり、チャンスがあれば、独立して若い経営者や専門職として活躍することができる分野です。

開志専門職大学の特色は、少人数教育と現場、現実を重視した実践的教育です。
授業は40人以下、実習、演習は10人、20人規模です。既存の大学の多くで行われているような、何百人も入る大教室で一方通行の講義を行い、学生はひたすらノートを取るという授業はありません。
そのような教育では本物の力は身につかないと考えるからです。

教員の半数は、企業などで勤務経験のある実務家教員です。例えば、事業創造学部にはベンチャー企業の経営者や総合商社の幹部、情報学部には通信キャリア企業や大手情報機器メーカーの経験者、アニメ・マンガ学部には、アニメの監督、現役のマンガ作家などが教員として在籍しています。現在進行形の産業の現実、企業の現場を踏まえた教育を行います。
事業創造学部と情報学部が行っている「トップランナー研究」という講座などでは、大手企業の社長経験者、新興企業の現役経営トップから直接話を聞く機会を多く設けています。

そして、最大の特色は、4年間で600時間以上の臨地実務実習です。学生は、大学で学んだことが企業や団体の現場で通用するかどうかを確認します。現場で実践すれば学びが足りなかったことに気づき、学び直しをする意欲が高まるでしょう。
通用することがわかれば、大きな自信になります。学習と実践を繰り返すことで学生は大きく成長します。その時間が600時間もあるのです。

本学の実践的教育が早くも成果を上げている実例を紹介します。
今年、アニメ・マンガ学部の二年生が県内のデザインコンペで採用され、小さな一歩かもしれませんがクリエーターとしての実績を獲得しました。先月は、モンゴルからの留学生を含めた事業創造学部、情報学部の4人の学生が会社を設立しました。本学の大学発ベンチャー第1号です。ビジネスコンテストの甲子園とも言われているJBMCの全国大会の上位3組に残るという快挙を果たしています。

勉学だけではありません。今年の新潟市の成人式、長野県上田市の成人式で代表として挨拶をしたのはいずれも本学の2年生でした。自分から手をあげて代表の座を勝ち取ったというのですから立派なものです。何事にも挑戦する積極的な人間、たくましい学生が育っていることを誇りに思います。

ロシアによるウクライナ侵攻は全世界に大きな衝撃を与えています。悲惨な状況が毎日のように報道されています。私は2010年に、ロシアから天然ガスをパイプラインで購入しているウクライナ、ハンガリー、チェコの環境政策、エネルギー政策調査団団長としてキーフを訪問したことがあります。素晴らしい歴史と文化を持った美しい街でした。テレビの映像を見るたびに当時のことを思い出し、胸が痛みます。
オレンジ革命を実現した民主政権がEU加盟を目指してロシアの虎の尾を踏み、天然ガスを止めると脅迫されて政権が倒れた直後でした。今回のロシアによる侵攻の前哨戦のような事件でした。ウクライナ経由でロシアから天然ガスを購入していたハンガリー、チェコが恐怖を感じてエネルギーの多様化を進めていた時期でした。
陸続きの東欧諸国の政治やエネルギー事情の厳しさを実感したのですが、今回の事態は遥かに深刻なものです。どのような結末を迎えるのか全く予断を許しませんが、世界の秩序、安全保障の枠組み、世界経済の構造に根本的な変化をもたらすことは間違いないでしょう。

今から50年ほど前の1973年、イスラエルとアラブ諸国との間で第4次中東戦争が起きました。劣勢のアラブ諸国は、イスラエル支持をやめないなら石油の供給を止めると日本政府に迫りました。石油の価格が一挙に4倍となり、日本経済はいわゆる石油ショックの直撃を受けたのです。物価が高騰し、生活は苦しくなり、多くの中小企業が倒産しました。ガソリンや電気の使用が制限され、プロ野球のナイターが中止となり、テレビの深夜番組は無くなるなど厳しい統制、生活の規制が行われました。

しかし、ピンチはチャンスという言葉があります。日本経済は、石油に過度に依存しない産業構造に転換し、エネルギーの消費効率に優れた自動車などが世界を席巻する産業へと成長しました。
その後の50年間でも、プラザ合意、バブルの崩壊、リーマンショック、東日本大震災と原発事故、そして新型コロナなど数々の経済危機があり、その度ごとに企業が倒産し、多くの失業者が出ました。他方で、変化をチャンスとして新しい職業、企業、産業が生まれたのも事実です。

人生100年、皆さんは社会に出て50年以上職業人としての人生を歩むことになります。
これからの50年は、もっと多くの大事件、経済危機、産業構造の変化があるでしょう。
既にカーボンニュートラル、DXなど産業構造の革新は急速に進んでいます。これまでの50年と同様、これからの50年に、一貫して成長する企業、安定した職業はないと覚悟しておいた方が良いでしょう。

経済危機に直面したとき、失業や不本意な転職をすることなく、豊かな人生を送るためにはどうしたらいいでしょうか。
それは学生時代に明確な職業意識を持ち、自分の適性や希望に沿った職業選びをすること、プロフェッショナルなスキルを身につけ、評価される人材になること、自学の習慣を身につけ、生涯学び続けることです。

日本の成長産業は、製造業から情報通信、コンテンツなどソフトな産業に移りつつあります。大企業に就職して会社に自分の人生を託すよりも、チャンスをつかんで独立をする、あるいは最初から起業をめざす若者が増えています。
開志専門職大学は、実践的な教育で、これからの日本経済、国際社会の変化に前向きに対応して、日本経済、社会を背負っていく高度な人材を養成するため、これまでの大学とは異なる新しい構想に基づき設立された大学です。
その名の通り、皆さんの志を大きく開花させる大学です。皆さんと一緒になって新しい大学の輝かしい歴史を創ってゆきたいと考えております。

2022年4月9日
開志専門職大学 学長
北畑 隆生

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