<第4回 開志コラボセミナーレポート>withコロナ時代のDXと、暮らしを支える最新技術とは?

本学における産学連携プロジェクトの一環として、産業界で活躍するビジネスパーソンを講師に招いて実施している「開志コラボセミナー」。今回は、5月26日(水)にオンライン形式で実施されたコラボセミナーの模様をレポートします。

 

第4回となった今回の講師は、メディアスケッチ株式会社 代表取締役 伊本貴士さん


▲セミナーにてご紹介された伊本さんのご経歴(抜粋)

 

伊本さんは2000年にNECソフト株式会社へ入社され、退社後はフューチャーアーキテクト株式会社、ベンチャー企業の情報戦略マネージャーを経て、2009年に現在も代表取締役を務めるメディアスケッチ株式会社を設立しました。IoTや人工知能に関する企業への技術コンサルティング事業を行い、デバイスの試作品開発、人工知能エンジンの開発など、企画立案から開発保守までを行っています。
また、2016年にはサイバー大学客員講師に就任され、情報端末とネットワーク、IoT、セキュリティの授業を担当。経済産業省の地方版IoT推進ラボにおけるメンターとして、地方の企業や組織のIoTプロジェクトへのアドバイスや支援活動も行うなど、情報分野の最先端で幅広く活躍されています。

今回のテーマは、「withコロナの技術戦略と最新技術活用」。現代における最新技術動向や産学官連携の可能性、DXと地域活性化などのキーワードについて、デジタル技術・データ活用のプロフェッショナルである伊本さんにお話しいただきました。

 

社会におけるDXが私たちにもたらすものとは?

まずは冒頭で世界経済の現状を解説いただいた上で、伊本さんからこのような言葉が。

「世界は新型コロナウイルスの脅威に晒され、コロナがある前提で物事を進めなければいけない状況にあります。そんな中で私が感じているのは、日本において今ある脅威や世界の状況を皆さんがしっかりと認識できているのか?ということ。特にテクノロジーに関しては、世の中全体が勉強不足で、よく理解されていないように感じます。今日は、このような時代の中で研究開発・運用が進む最新テクノロジーについて知ってもらえればと思います」


▲伊本さんによる今後の未来予測

 

現代におけるデータ活用の有用性、テクノロジーが大きな価値を持っているのはなぜか?といった解説の後、話題は現代社会におけるDXへ。
伊本さんが話すDXの意義とは、人間が感覚でしかとらえられないものが見えるようになる「見える化」、自動・リモートなど、デジタル制御で人間の体を動かさなくても良くなる「省力化」、そしてこれまで人間の脳で行っていた「制御・分析・判断の緻密化」だといいます。

その後も、具体例を挙げながら、組織におけるDX戦略の具体的な手順や注意点、何をDX化すべきなのか、それによって期待される効果などについて解説いただきました。

 

IoT+ロボット分野における最新技術

ここからは、IoTとロボットの分野で現在どのような技術があるのか、世界と日本におけるさまざまな事例をご紹介いただきました。
すでに世界では実験が始まっているという、16Kの高画質画像をリアルタイムで共有しながら人体の手術を行う「遠隔手術ロボット」、これまでのような大量生産ではなく、顧客の注文や要望に応じて価値に見合った安価な製品を作る「マス・カスタマイゼーション」といった世界の先進事例から、私たちにもなじみがある、セルフレジの仕組みを惣菜店で取り入れるために作られた「AI計量器」など、興味深い事例を写真や動画で詳しく解説していただきました。


▲「遠隔手術ロボット」のご紹介スライド

「これからの世の中がどうなるかは誰も分かりません。今後やるべきことは、変化に迅速・柔軟に対応し、カオスを読み解くこと。人間が直観的・曖昧にではなく、論理的・堅実に判断し、進んでいくためにしっかりとデータを読み解き、分析したうえで物事を判断していく必要があります」

 

新型コロナウイルスによって、暮らしや働き方をはじめ、私たちの周りではさまざまなものが大きく変化しました。そんな現代でデータを活用することの大切さ、最新技術によってもたらされる新たな可能性を知ることができた今回のセミナー。今後も開志専門職大学では、さまざまな方をお招きしてのコラボセミナーを開催予定です。

 

※本セミナーは「新潟県産学連携による人材育成・定着促進支援事業」の一環として開催しました。本学の建学の精神である「自学」「挑戦」「創造」「貢献」に基づき、新潟県内で就労する社会人の方々に対し、自ら学ぶ意欲と挑戦する力を引き出すことを目的としています。