ANIME/MANGARESEARCH

アニメ/マンガ研究領域

TEACHER

アニメ/マンガ研究領域 授業を支える先生たち

准教授

木村 智哉

KIMURA Tomoya

アニメーション産業史を専門に研究。千葉大学大学院で博士号取得後、首都圏の複数の大学で、非常勤講師としてアニメーションや映画、大衆文化等についての講義を担当。また、早稲田大学演劇博物館では研究助手を、現・国立映画アーカイブでは客員研究員を務めた。単著『東映動画史論 経営と創造の底流』で日本アニメーション学会賞2021を受賞。

担当科目

アニメ概論/アニメ史/スタディスキル/アニメ作家研究/アニメ産業論/アニメ・スタディーズ演習/アニメ・マンガ研究ゼミ(共)

なぜアニメは必ず絵コンテをつくるようになったのか?

アニメの作り手として、スタジオジブリの宮崎駿さんや高畑勲さんが思い浮かぶ人は多いと思います。『機動戦士ガンダム』の富野由悠季さん、『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明さん、『サマーウォーズ』の細田守さん、『君の名は。』の新海誠さんなどを知っている人もいるでしょうか。この方たちはみな、アニメの「監督」です。監督はアニメの絵を一枚一枚描くわけではなく、各シーンの設計書となる絵コンテをまとめて演出上の指示を出し、完成作品に責任を負う仕事をしています。

なぜ演出の専門家がアニメ制作を率いるようになったのか。これはアニメ・ビジネスの歴史に関わりがあります。
動きの面白さでアニメが作れれば、アニメーターが作品作りを引っ張れます。しかし短い期間で作るテレビアニメでは、あまり絵を動かさず、ストーリー重視で見せる必要がありました。そのため見せ方=演出のプランを絵コンテで統一することで、効率化をはかるようになったのです。テレビアニメの始まりが、作り方の変化を促したと言えます。
これはアニメの歴史を、作品内容ではなくビジネスの変化という観点から研究して分かったことです。アニメは商業的に作られる商品でもあります。だからそこには、ビジネスの論理が強く影響を与えているのです。


講師

雜賀 忠宏

SAIKA Tadahiro

社会学者・マンガ研究者。博士(学術)。複数の大学でマンガ史・大衆文化論等の講義を担当しつつ、京都精華大学国際マンガ研究センター委託研究員(2014~2020)として京都国際マンガミュージアムのコンテンツ制作などに従事。研究テーマは日本における「マンガを描くこと」の言説史など。

担当科目

マンガ概論/マンガ史/スタディスキル(共)/マンガ作家研究サブカルチャー論/マンガ・スタディーズ演習/アニメ・マンガ研究ゼミ(共)/文科啓発施設運営実習Ⅰ/Ⅱ(共)

京都国際マンガミュージアム「イストリエタ展」

「見慣れたもの」としてのマンガを新たな視点から見直してみると─

マンガは日常的に親しまれている表現メディアです。それゆえに、私たちは自分の「マンガ経験」をついそのままマンガ全般へ当てはめてしまいがちでもあります。
しかし、時や場所が変われば、マンガがどのように描かれ読まれるかは大きく変わります。たとえば、澤井哲夫先生の人気バトルギャグ作品「ボボボーボ・ボーボボ」(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)の仏語版は、現地の出版社から、読み手の理解力を要求する作風の作家を集めた、成熟した読者向けのレーベルで刊行されています。また、1970年代の日本のマンガ雑誌では、皆さんとほぼ同じ年齢のマンガファンたちが、自己表現としてのマンガの可能性について文学青年のような真剣さで議論していたりします。そして、現在の「漫画」という言葉自体が、じつは近代に西洋から入ってきた風刺画表現を指すために生まれた、当時の新しい用法に根ざしているのです。

私が専門としている社会学的視座からのマンガ研究では、時代や社会状況など、マンガをめぐる様々な文脈を解きほぐしながら、「見慣れたもの」としてのマンガを新たな視点から見直しています。日常的によく知っていると思っていたものが一変する、その新鮮な驚きを味わってみませんか。


准教授

横山昌吾

YOKOYAMA Shogo

映像編集者としてアッバス・キアロスタミ監督作品「Like Someone in Love」、アミール・ナデリ監督「CUT」など国内外の作品を多数担当。東京藝術大学大学院映像研究科では、教員として国際プロジェクトを主導する。ASEAN諸国を対象に開催する国際映画制作ワークショップのディレクターを長年にわたり務めている。映像メディア学博士。

担当科目

映像音響概論/映像編集理論/物語芸術WorkshopⅡ(映画制作)(共)/ポストプロダクション実習/企画制作技術演習

A.キアロスタミ「Like Someone in Love」

自分が見たり聞いたりしている世界が、他の人と同じ世界だと思ってませんか?

人間は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感を使って世界を認知しています。実は同じモノを見たり聞いたり味わったりしても、それぞれの人間の感じ方は異なります。つまり、 あなたが認知している世界はあなただけです。
人間の創造力(イマジネーション)はどこから来ると思いますか?
想像力の源は、私たちの記憶です。そして、記憶は私たちが認知したモノにもとづいています。特に視覚と聴覚は、人間のコミュニケーションを支える重要な感覚といわれています。マンガ、アニメ、ゲーム、映画などは視聴覚エンターテイメントでもあり芸術です。

私の研究分野は、物語の映像編集と音響表現です。つまり物語世界の視覚と聴覚に関することです。編集は、ただ映像を繋ぐだけではありません。時間と空間を扱い物語の世界を作り、観客の感情を誘導します。音響は物語世界の声、音、音楽を扱います。観客と作品を繋ぐ重要な役目を担っている分野なのです。
クレショフ効果、視線誘導、ライトモチーフ手法、情緒プライミング効果など映像表現技法の研究は今までも行われて来ました。しかし、まだ、これからの分野でもあります。映像表現と物語世界、視覚と聴覚の不思議を考え、自分の創造力を広げ実践に活用できる映像表現技法を探究する研究です。


助教

青木健一

AOKI Kenichi

専門は造形分野の基礎教育。1999年6月より「日本アニメ・マンガ専門学校」の開学業務に携り、開学後は教員として勤務。その後2007年「国際映像メディア専門学校」の開学業務を担当。映画、俳優の分野を専門とする「国際映像メディア専門学校」開学後は教務部長として教育課程の設計・運営に担当し、最終的に学校長を務めた。

担当科目

アニメ・マンガによる地域振興事例研究及び演習/物語芸術WorkshopⅠ(演劇制作)(共)/物語芸術WorkshopⅡ(映画制作)(共)/文科啓発施設運営実習Ⅰ/Ⅱ(共)/印刷・広告実習Ⅰ/Ⅱ(共)

専門科目PICKUP

映像編集理論

映像編集とはなにか?それはAとBの映像を”くっつける”という簡単なものではない。映像作品は、編集で物語が初めて出来上がる。物語に流れる時間と空間を操り、観客に何をどのように提示し、何を考えさせるか?これこそが編集である。この講義では、映像編集の歴史や理論、表現技術を実際のアニメや映画を参照しながら、編集のマジックについて学習します。

物語芸術ワークショップ

夏休みまたは春休み期間中の集中講義。グルーブに分かれて他分野の物語芸術を、一流の劇団・監督の指導で実際に短編をつくる体験をします。まず準備期間中に全員が脚本を書き、その中から選ばれた脚本数本で、ワークショップ期間中に制作、最終日に発表を行います。分野として演劇、映画、コンテンポラリーダンス(ダンスすら物語!)などを予定。

サブカルチャー論

この授業では、マンガを基盤として生み出される人々の営み=「サブカルチャー」の多彩な様相をとりあげます。マンガ独自の表現上の約束事がどう人々へと共有されていくか、マンガに愛着を持つ人々がどのような共同体を作り上げるか、そしてマンガをめぐって人々はいかに衝突するか…「マンガが好きな私」をとりまく社会のありようを捉え直してみませんか。

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