「現代産業論」は、事業創造学部1年次必修科目、情報学部1年次選択科目として設置された基礎科目です。金融、自動車、食品、小売等、さまざまな産業界の第一線で活躍するゲスト講師の皆様に来学いただき、特別講義を行っています。
※受講対象者…事業創造学部 1 年⽣(必修)、情報学部1 年⽣以上(選択)ほか、過去受講生、アニメ・マンガ学部も聴講可能です。
5月30日(木)に行われた第7回のテーマは「エネルギー(石油)」、株式会社INPEX 元代表取締役会長 相談役 北村 俊昭様にご登壇いただきました。
当日の講義の様子をご紹介します。
前回に引き続き資源開発産業をテーマに、今回は石油や天然ガスに関するご講演をいただきました。
石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売を行う日本最大のエネルギー開発企業、株式会社INPEXの元代表取締役会長であり、現在は相談役をされている北村様にお越しいただき、現在のグローバルエネルギー情勢、日本のエネルギー情勢、INPEXの挑戦と題して3つのお話をしていただきました。
まずは世界のエネルギー政策について。過去50年を振り返り、エネルギー危機が4回起こったこと、そのような変化の中で世界のエネルギー消費がどのように推移したか、割合は少ないが原子力と再生可能エネルギーが少しずつ増えていることがわかりました。
一方、日本のエネルギー事情を見てみると、主要国における日本のエネルギー自給率はなんと35位で、自給率12.1%とかなり低い状況。化石燃料への依存度が高いものの、それも徐々に減ってきており、一次エネルギー供給の構成比は変わってきています。
その中で日本のエネルギー政策は、「Safety(安全性)」「Energy Security(安定供給)」「Economic Sufficiency(経済効率性)」「Environment(環境適合)」の、S+3Eをキーワードに進められているそうです。
生活に必要不可欠なエネルギーの安全や供給に関してどのように取り組まれているのか、興味深いお話を聞くことができました。
このようなエネルギー政策や動きの中核企業となっている株式会社INPEXは、時価総額約3兆円の企業とのこと。ネットゼロ(温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとり、正味の排出量をゼロにすること)の分野にも注力し、新潟には2つの開発・実証設備があるといったお話も。INPEXは、ネットゼロカーボンを理想から現実に変えていく企業であることが分かりました。
学生からの関心も高く、講演後には「ネットゼロのために、私達がこれからできることは何か?」など、エネルギーの問題を自分ごとと捉えた質問も上がり、講演は幕を閉じました。
北村様、ありがとうございました。
年間を通してさまざまな業界からゲスト講師をお招きして実施する「現代産業論」。
講義の様子は、今後もHPやSNSでご紹介していきます。