<開志のまなび>IoTシステムで社会課題を解決!「IoT実習」最終発表(ポスターセッション)を開催しました【情報学部3年生】
情報学部3年次の講義「IoT実習」【全15回/担当:磯西徹明教授】は、2年次の講義「IoT演習」にて修得した、IoTの基礎知識、通信方式、センサー、駆動装置、及びマイコンボード等を使って、様々なサービスへの利活用を想定したより大規模なIoTシステムの構築・管理・検証を行う実習です。
IoT(Internet of Things)とは、センサー機器、駆動装置、設備、家電製品、自動車等、従来、インターネットに接続されていなかったモノがネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換し、我々の生活を豊かにしてくれる仕組みのことです。
本実習は、第1回~第6回までの前半で全員に配布されるIoTキットやIoTクラウドを利用した個人実習を行い、第7回~第15回までの後半でソフトウェア・ハードウェア双方の開発知識、アイデア創出力や実装力、チームワークや共創力などを身につけるためのグループ実習が行われる2部構成となっています。
グループ実習では、企業にて高度なシステム開発のプロジェクトマネージャを多数経験した磯西教授が直接指導。IoTシステムのアイデア検討、要件定義、システム開発、テスト、データ分析、お客様への説明を想定したデモンストレーションと説明…といった一連の流れを、プロジェクトベースで学ぶことができるのが最大の特徴です。
また、開発するシステムは、グループで考えたアイデアを基に設計、開発するため、部品の選定、調達、動作テスト等も自ら実施する、より自由度の高いものとなっています。
実習最終回のポスターセッション。日常にある社会課題を解決するIoTシステムとは・・・
約60時間に及ぶ本実習の最終回では、農業、学内環境を含むビル設備、ヘルスケア、住宅等での利活用を想定し、日常にある身近な社会課題を解決するIoTシステムのデモンストレーションを含めた最終発表(ポスターセッション)を実施しました。
学生が構築したIoTシステムは、保育園の送迎バスで降ろし忘れが原因で園児の死亡事故が発生している社会課題を受け、車内環境(CO2濃度や車内温度)の計測、バス乗降者の人数をカウントするシステムや、ビル内のトイレの使用状況をインターネットでリアルタイムに確認できるシステム、大学内の自習室や研究室の環境データ、使用している人数を計測して、室内の温度を自動調整し学内で共有できるシステム、家庭菜園の自動水やりシステム、インターフォンの通知がスマホに届くシステム..など、まさに私たちの日常にある課題を解決するIoTシステムが提起、開発されました。
本実習を履修した学生からは、
「一からシステムを構築する必要があるため、その中でのプログラム開発、複数デバイスの連携を始めとして、これまで学んだことの応用の難しさを感じた」
「システムの構築には、膨大な時間や手間がかかることを実感し、各人の役割分担やその進捗管理の重要性を学んだ」
「制作して終了、テストをして終了、ではなく、データを計測、分析した結果が本サービスの要件として適しているのか、グループで話し合い、試行錯誤を重ね、最後まで改良し続けることができた」
といった振り返りの感想がありました。
グループ全員で試行錯誤を重ねながら1つのIoTシステムを作り上げるチーム力とシステム開発力の向上を目指す本実習。学生自ら考え行動し「社会課題解決」というテーマに取り組むことで、単なる作業や勉強ではなく、技術的な内容を理解し、社会と技術のつながりを意識できる有意義な実習となりました。
実習場所は「KAISHI LAB」
KAISHI LABは、旋盤・フライレーザーカッターや3軸5軸CNC切削機などの各種工作機械を備え、試作品の各種加工が行える施設です。
本実習では、KAISHI LAB設備を積極的に活用。3Dプリンター、テスター、デジタルノギス、コンパスカッター、恒温槽などを使用し、IoTシステムのセンサーデバイスを収納するカバーなど外装を学生自ら設計し作成しました。
KAISHI LABでは、定期的に在学生向けワークショップや、各種工作機械の使い方講習を実施しています。
ICTの専門技術に加え、ビジネスの現場で求められる力を身につけ、社会に役立つDX時代の人材を育成する情報学部。
学部の学びについては、引き続き本学のWEBサイトでご紹介していきます。