<開志のまなび>事業創造学部 特別講義「政治行政制度について」を開催しました。 【講師:前和歌山県知事 仁坂吉伸様】
2024年10月28日、事業創造学部1年次の科目「地域経済産業論」(担当:徳田賢二教授)にて、前和歌山県知事 仁坂吉伸様による特別講義が行われました。今回の特別講義は「政治行政制度について」と題し、経済産業省の官僚として、また和歌山県知事として長く国及び地方政治行政の第一線で活躍してこられた仁坂様から、国と地方の行政の概要、法令、議会、公務員の役割制度など、幅広くお話をいただきました。
まず立法権、行政権、司法権という相互の権力が互いに抑制し、均衡を保つ三権分立について説明された後、1)国の行政として、内閣の仕組み、役割、2)地方行政の仕組みとして、首長と地方官僚の役割、3)地方行政の構図として、3割自治、東京一極集中、4)公務員について、公務員に必要とされる資質、姿勢、 官僚主義の弊害、5)法令の意義、6)議会の役割、7)司法の役割、といった幅広いテーマについて、ご自身の知事時代のご経験を元に、学生たちに語りかけ、応答をしながらお話をいただきました。
学生たちにとっても、日頃接している政治行政がどのような仕組みが動いているのか、理解が進んだものと思われます。
講義終盤の学生との対話では、「人口減少にはどう歯止めを掛けるべきかと思いますか」という話題に対して、仁坂様からは「人口減少を克服することは容易ではありません。きわめて多くの要因があり、その一つ一つを転換していかなければなりません。総じて様々な面でどれだけ魅力ある地域にするかが問われることになります」という回答がありました。
最後に仁坂様より「我々が心しなければならないこととして、行政には法律の条文や慣習以上に常識・良識・情理が大事。なぜ、どうしてという、疑って自分で考えてみる精神。チャレンジの精神。副作用・反作用にも留意するバランス感覚、スピード感を持った決断力、レビューが必要であること」特に、「自分で考えてガンガン提案をせよ」、「情報の入手、人との付き合い、人脈の生かし方」など、実践的な組織での心得をかみ砕いてお話になりました。
学生たちは仁坂様のお話に真剣に耳を傾けており、有意義な講義となりました。
仁坂様、誠にありがとうございました。今後もこうした講義の様子はHPやSNSでレポートしていきます。