<開志のまなび>事業創造学部 特別講義「政治行政制度について」を開催しました 【講師:前和歌山県知事 仁坂吉伸様】

2023年10月、事業創造学部1年次の科目「地域経済産業論」(担当:徳田 賢二教授)にて、前和歌山県知事 仁坂吉伸様による特別講義が行われました。
今回の特別講義は「政治行政制度について」と題し、経済産業省の官僚として、また和歌山県知事として長く国及び地方政治行政の第一線で活躍してこられた仁坂様から、国と地方の行政の概要、法令、議会、公務員の役割制度など、幅広くお話をいただきました。

まず立法権、行政権、司法権という相互の権力が互いに抑制し、均衡を保つ三権分立について説明された後、内閣の仕組み、役割、法律が制定される意義、公務員に必要とされる資質、姿勢、議会の役割といったテーマについて、ご自身の知事時代のご経験を元に、学生たちに語りかけ、応答をしながらお話をいただきました。
学生たちにとっても、日頃接している政治行政がどのような仕組みが動いているのか、理解が進んだものと思われます。

講義終盤の質疑応答では、参加者の学生より
「人口減少が続く地域ではどのような政策が採られる必要があると思いますか」
という質問がありました。それに対して、仁坂様からは
「人口減少を克服することは容易ではありません。きわめて多くの要因があり、その一つ一つを転換していかなければなりません。総じて様々な面でどれだけ魅力ある地域にするかが問われることになります」
という回答がありました。

また、「税収の減少が続いていることについて、迂回的ですが、税率を引き下げることが経済循環を活発化させ、税収を増やす政策もあり得るのではないでしょうか?」といった質問に対して仁坂様からは、
「その通りです。ただ、それもどのくらいの規模でどのタイミングで行うかが難しい点です」
といった回答がありました。

最後に仁坂様より「我々が心しなければならないこととして、行政には法律の条文や慣習以上に常識・良識・情理が大事。なぜ、どうしてという、疑って自分で考えてみる精神。チャレンジの精神。人々の幸福の総和をどう最大に持って行くかと言うバランス感覚、スピード感を持った決断力が必要」といった、若い世代への励ましの言葉をいただきました。

学生たちは仁坂様のお話に真剣に耳を傾けており、有意義な講義となりました。

 

仁坂様、誠にありがとうございました。
今後もこうした講義の様子はHPやSNSでレポートしていきます。

 

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