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GAFAの1社であるFacebookの実態とは。 アレクサンダー ・キベッツ氏

Facebook広告事業部クライアントパートナーマネージャーが語る。 大学生に戻れるなら、絶対にこれをする。
開志専門職大学で講師を務める、Facebook広告事業部クライアントパートナーマネージャー、アレクサンダー キベッツ(以下、アレックス)に、高校から大学時代、そして社会人生活の話を伺いました。また、開志専門職大学で学生たちにどのようなことを伝えたいのか、大学生でやっておくべきことも聞きしました。
サッカーに夢中だった高校時代

開志専門職大学

お生まれはどこなのですか?

アレックス

僕はウクライナで生まれて、7歳の頃、両親と共に来日しました。

アレックス

来日当初、日本語は全くわからなかったですが、インターナショナル・スクールに行く経済的余裕も無かったので、公立の小学校に入学して、実践的に日本語を習う環境が始まりでした。

開志専門職大学

それは大変でしたね。

アレックス

そういう背景もあり、勉強は苦戦しました。数式や数字を使う問題は、日本語がわからなくても解けますが、言語が分からないと解けないような問題は、大変だった記憶があります。

開志専門職大学

スポーツはやっていたんですか?

アレックス

小学校2年からサッカーを始めて、高校3年までの11年間続けました。

開志専門職大学

高校時代はサッカーに夢中だったんですね。

アレックス

はい、入学した高校のサッカー部は当時、有名な監督がいたこともあり、優秀なメンバーが集まったのでけっこう強かったです。都立高校で、夜間は定時制があったので、授業が終わった後の限られた時間で、トレーニングを最大限行うのが大変でしたね。

アレックス

それでも、高校最後の大会では、東京都ベスト16に入れたのは、良い成功体験だと思っていて、いまの自分の礎の一部になっています。

金融業を目指した大学時代

開志専門職大学

大学の学部は何だったのですか?

アレックス

経済学部です。経済学部を選んだ理由は、世の中の仕組みを理解するためには、経済の仕組みを理解することが重要だと思ったからです。

開志専門職大学

大学に入って1番力を入れていたことはなんですか?

アレックス

勉強ですね、友達とやったり、一人でコツコツやっていました。社会に出る前に、色々と学んでおかないと、通用しないだろうなという危機感もあったので、「大学の4年間は最大限、有効活用してやる」っていう気持ちで入学しました。あと、親に学費を出してもらったので、「無駄にできない」っていう思いも強かったですね。

アレックス

最初は、学校の授業に加えて、知識を圧倒的に得る必要があると思っていたので、本や雑誌を良く読んでました。例えば、「Newsweek」を購読して、世の中で起きていること、そして起きている背景や歴史を調べ、自分なりの見解を考える、みたいなことをやってました。

開志専門職大学

就職活動はどうでしたか?

アレックス

就活は、他の人より先に動くことで、アドバンテージを作れると思っていたので、開始したのは、大学2年後半くらいで、早い方でした。

アレックス

就活するにあたって、色々と調査をしたら、当時勢いがあって優秀な人材が集まっているのは外資系投資銀行だと思ったので、複数社のインターンシップに参加してみました。

開志専門職大学

金融系のインターンシップに行ったんですね。そこで感じたことはあります?

アレックス

参加している学生のレベルの高さに、驚愕しましたね。当時、インターンシップに参加する学生の割合は、今ほど高くなかったので、そもそも選考が厳しい外資系金融のインターンシップに参加していた人は、かなり意識が高く、野心的な人が多かったです。

アレックス

なので、刺激的な環境でしたし、その際に繋がった人たちとは、今でも交流があるので、貴重な体験でした。

開志専門職大学

レベルが高い人というのは、どういう人を意味していますか?

アレックス

その時は、知識・思考力・伝える力・志の高さ、といった要素で判断してました。 なので、色んなことを知っていて、ロジカルに考え、シンプルに分かりやすくコミュニケーションができ、将来的にやりたいことがある人を、勝手にレベルが高いと見なしてました。

アレックス

社会に出てから、必ずしも、そういった人だけではなく、組織にはもっと多様な人材が必要であることを学びましたが、学生の時は、そういった偏見がありましたね。

経営コンサルティング会社を選ぶ

開志専門職大学

就職はどちらに決まったのですか?

アレックス

当時、残念なことに、世界規模の金融危機「リーマンショック」が起きた影響で、外資系投資銀行の採用人数が絞られたこともあり、最終的には経営コンサルティング会社を選びました。

アレックス

大手とスタートアップで悩んで、フランス系のスタートアップに決めました。決め手としては、人よりも早く多くのことを経験したいと思っていたので、組織が小さくて裁量が多い、スタートアップを選びました。

社会に出る前に、スタートアップで実務を経験

開志専門職大学

大学にいながら?

アレックス

アレックス:そうです。大学3年で単位を全て取得して、4年で授業に出る必要がなかったので、この期間を活用して、社会で働くことを経験してみようと考えたのが、きっかけです。

アレックス

色々と探したら、GREEという会社が長期のインターンシップを提供していたので、受けてみました。 そしたら、面接でお会いした役員の方のパッションとスマートさに圧倒されて、その場で、やることを決めましたね。

開志専門職大学

GREEではどんなことをされていたのですか?

アレックス

マーケティングに必要なデータの収集と分析や、丁度、GREEが上場するタイミングだったので、投資家向けの資料作成サポートなど、多岐にわたって多くの経験をさせてもらったことは、感謝しています。

経営コンサルティング会社で学んだことは、基礎になっている

開志専門職大学

フランス系コンサルに入社して、どういったことをしていたのですか?

アレックス

様々な業界の大手企業を担当しました。各企業は様々な課題を抱えていたので、課題を解決するためのビッグピクチャーが決まった後に、自分が担当するテーマに関して、どうやって実現するかを考え、提案し、ケースによっては実行支援を行うのが仕事でした。

開志専門職大学

何が一番大変でした?

アレックス

担当する企業の業界や取り組むテーマは、様々だったので、自分よりも業界と取組テーマに関してはるかに詳しい、お客様が悩んでいる課題に対して、納得のいく解決案を作り出すのは、すごい大変でした。

アレックス

常に膨大な勉強と思考量が必要ですし、最後は人になるので、対人力が試されましたが、多くの失敗と経験は、いまの自分の基礎を作っている自負があります。

Facebookで新たなチャレンジ

開志専門職大学

フランス系コンサルから社会人をスタートさせて、今、Facebookで働いているわけですね。

アレックス

Facebookに転職した理由は、大きく3つあります。
1. 自分が将来的にやりたいことに対して、有用なスキルと経験が得られる
2. 一緒に働きたい人がいる
3. 会社が提供するサービスが、社会的に意義がある

開志専門職大学

入社してみてどうですか?

アレックス

面白いですね。日々、多くの学びがあり、良い経験をさせてもらっています。

アレックス

Facebook のミッションは、「give people the power to build community and bring the world closer together」です。 それを実現するために、サービスに対して膨大な投資が必要ですが、その投資の源泉となっている収益は、99%広告事業で稼いでいます。

アレックス

僕の仕事は、この広告事業領域で、お客様である広告主が実現したいことを、Facebookの広告プラットフォームを使って、実現することを助長することで、Facebookにとっての広告収益を最大化することです。

大学時代に、できるだけ多くの経験を

開志専門職大学

大学時代にやっておくべきことはなんだとお考えですか?

アレックス

1つは、社会で実際に働いてみる。実際に働いてみることで、仕事に対する理解度は上がるし、求められるスキルや能力を肌身で味わうことで、大学で何を学べば、自分が就きたい仕事において、即戦力な社会人になれるかが分かるようになります。

アレックス

今はスタートアップが増えてきているので、インターンシップの機会も多く、大いに活かすべきだと思います。

アレックス

2つ目は、自分でちょっとしたビジネスをやってみる。自分でサービスを提供して、マネタイズやオペレーションなど一通り回して見ると、ビジネスに対する理解度が圧倒的に上がります。

アレックス

大きな組織の中で、一つの役割だけを任されると、ビジネス全体に対する理解がどうしても追いつかないことがありますが、自分でやった経験があれば、どんな組織で働くにせよ、役立ちます。自分でビジネスをやるって、一見難しいように聞こえますが、テクノロジーが進化した現代では、色んなところに機会があります。

アレックス

例えば、自分が好きなテーマに関してウェブメディアを作って、ソーシャルメディアでの投稿からユーザを獲得し、広告ネットワークの仕組みでマネタイズする。あるいは、無料でECサイトを作成して、自分がイケてると思うモノを売ってみるとか。

アレックス

3つ目は、自分から情報を発信し続ける。ソーシャルメディアなどを使って、自分の考えや好きなテーマに関して発信することで、自分のブランディングができ、ネットワーク作りがし易くなったり、ビジネス機会につながったりします。

アレックス

ただ、情報発信にはリスクも伴うので、発信の仕方は思慮深くやった方がいいと思います。

アレックス

最後は「海外」に行くこと。できるだけ多くの価値観、歴史や文化に触れて欲しいです。 「Diversity & Inclusion」は、現代の重要なテーマの一つで、多様な人、価値観や能力を取り入れた組織が、最も成功すると言う考えのもと、グローバルな優良企業が最も注力している領域の一つです。

アレックス

だから、旅行、交換留学、インターンシップなど、どういった形でも良いので、海外に行って、自分が育ってきた環境との「違い」を認識して、自分の幅を大いに広げて欲しいです。

開志専門職大学

ありがとうございました。

特別講師 アレクサンダー・キベッツ氏

Facebook広告事業部クライアントパートナーマネージャー

大学生時代に、未上場の日系スタートアップで長期インターンシップを経験。大学卒業後、外資系経営コンサルティングファームで大手企業への戦略立案と実行支援に携わる。その後、事業会社のビジネス立ちあげに携わりたい思いで、日系スタートアップ複数社にて、国内外の事業開発、オペレーション企画、広告とEC事業の立ちあげを経験。テクノロジーxマーケティング領域で、もっと専門性を身に付けたいと思い、外資系アドテク企業で新ソリューションの日本立ちあげと展開を経験した後、現職であるFacebookのクライアントパートナーマネージャーとして、日本における広告事業の拡大に従事している。

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